結論から言うと、国内で日本語教師になるのであれば、外国語が話せる必要はありません。
しかし、日本語学校には様々な国の学生が在籍しているわけですから、語学力があればそれだけ仕事でプラスになります。
今回は、語学力が必須ではない理由をお話します。
目次
語学力が必須ではない理由 :直接法で教える学校が多いから
外国語教授法には、間接法と直接法という教授法があります。
かんたんに説明すると、
英語や中国語などの学習者が分かる言葉を使って日本語を教えるのが、間接法、
英語や中国語などを使わずに、日本語だけで日本語を教えるのが、直接法です。
国内の日本語学校では、この二つのうち直接法を採用していることが多いです。
つまり、直接法を採用している学校では、授業では日本語しか使わないので、教師が外国語が話せなくても授業ができるということです。
-なぜ、直接法?
ではなぜ多くの日本語学校が直接法で日本語を教えているのでしょうか。
理由は単純です。
学習者同士の共通言語が日本語しかないからです。
国内の日本語学校には、様々な国からの学習者が在籍しています。
私が以前、勤務していた日本語学校でも、ベトナム人、ネパール人、そしてフィリピン人が同じ教室で日本語を学習しています。
私が授業で英語を話すと、一部の学習者は理解できません。
ですから、教師が特定の外国語が話せても、教室に様々な国の学生がいる場合は授業では使えないということです。
直接法のメリット
(今回はデメリットについては触れません)
- 自然と学習者が日本語に触れる時間が多くなる
- 日本語で説明を聞いたり、日本語で質問したりを繰り返すことで、日本語で考える習慣や、推測する力がつく
間接法で教える場合でも、中級以上になれば少しずつ媒介語を使う頻度を減らしていき、できるだけ日本語だけで授業を進めていくことが多いです。
実際に、私が勤めていたアメリカの大学でも、英語による間接法で授業を行っていましたが、できる限り日本語を話すようにと言われていました。
日本語にたくさん触れ、使える日本語を増やしていくのに直接法は最適です。
ですから、外国が話せる教師も授業では積極的に日本語を話します。
業務で語学力が必要となる時
授業では、語学力は必須ではありませんが、その他の業務で必要となることがあります。
①入国後オリエンテーション
留学生は、日本の法律や生活ルールをしっかり理解して守る必要がありますから、入国後オリエンテーションでは、必ず学習者が分かる言語で説明します。
②学習者の生活サポート、相談
その他にも、入国後最初の数か月は、市役所での諸手続きや病院への同行などの生活サポートも行います。
学習者の日本語能力によっては、その学習者が分かる言語でサポートを行う必要も出てきます。
②書類、証明書等の翻訳
ほとんど英語は使いませんが、いざと言う時に必要になる感じです。
日本語学校には、様々な国の学生が在籍しているため、その分それぞれの言葉に対応できる教師がいると日本語学校としては強いですよね。
語学力が必須の学校もある
ちなみに私が働いている日本語学校は英語力が必須です。
授業も間接法で教えていて、その他業務でもがっつり英語を使います。
私の学校の特徴として、英語圏からの学習者が多く
在籍している学習者のほとんどが英語が話せます。
応募の際にもTOEICのスコアの提出を求められました。
おわり
今回は、国内の日本語学校を中心にお話をしましたが、
私が働いている日本語学校のように国内でも語学力が必須のところもあります。
海外で教える場合やオンラインの場合は語学力が必要になることが多いですし、授業以外の業務でどれくらい外国語が必要となるか等は、本当に学校によります。
日本語学校を選ぶ際に、その学校では語学力が必須なのか、またどの国からの学生が多いのかぜひ調べてみてください。
この記事が、日本語教師に興味がある人や、日本語教師を目指している人の役に立てばうれしいです。