新米日本語教師の日常

20代、教師歴3年目の日本語教師です。日本語教師のリアルをゆるく書いています。

【日本語授業アイデア】授業のウォームアップに使える漢字の活動例!漢字はゲームで楽しく覚えよう

日本語学習者(特に非漢字圏)にとって漢字は大敵。

 

漢字への苦手意識が大きいと、

初級の段階で覚えることをあきらめてしまう学生もたくさんいます。

 

今回は、少しでも楽しく漢字を学べるように考えた活動を紹介します♪

 

目次

 

 

①漢字ディクテーション

やり方:教員が言った文を紙に書かせる。

 

書き取りは難しいみたいです。

日本人でも「読めるけど、書けない…」という人は多いですよね。

 

★ポイント

漢字の代わりにカタカナにしてもいいです。

結構書けません(笑)

 

 

②単語づくり

やり方:漢字を組み合わせて言葉を作る。

    個人でもペアでもグループでも

 

例)今 + 日 = 今日

 

★ポイント

最後はホワイトボードに書かせて、グループでどれだけ作れたか競い合います。

勝負にすると盛り上がります♪

 

 

③ばらばら漢字

やり方:ばらばらになった「へん」と「つくり」を組み合わせて漢字を作る。

 

例)立 + 日 = 音

 

★ポイント

余裕があるクラスは

漢字を作ったら、その漢字を使って言葉を作るという2段階にしています。

 

例)音 ⇒ 音楽

 

 

④「これ」は何?

やり方:クイズの答えを漢字で書かせる。

 

例)毎日、学校でこれを勉強します。 ⇒ 日本語

 

★ポイント

漢字だけではなくてクイズの答えも導き出さないといけないので、

漢字学習に飽きてしまったようなときにするのがおすすめ。

 

 

自作したプリントも載せていますので

参考にどうぞ。

 

学習者のレベルや学習中の漢字に合わせて作ってみてください。

 

初回授業で使えるアクティビティも紹介しています。

 

zhijiang.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

【日本語学習者の誤用から学ぶ日本語】①「死にそうです」と「死ぬそうです」

「あなたは死ぬそうです」

 

「病院に行って、医者に症状を伝える」というロールプレイをした時のことです。

 

患者役の学習者が、自分の症状を伝え

医者役の学習者が診断を出すのですが。

 

その時の診断内容が

 

「あなたは死ぬそうです。」

 

医者の診断としては少々ありえないシチュエーションですが、そこは置いといて…

 

問題は「死ぬそうです」という部分。

言いたいことは何となくわかるけど、何か違和感を感じますよね。

 

目次

 

死ぬそうです」は伝聞

「~そうです」の前の動詞が辞書形*1だと伝聞の意味になります。

 

「山田さんは来月結婚するそうです。」

I heard that Yamada san will get married next month.

 

なので「死ぬそうです」と言うと

”他の人から「あなたが死ぬ」と聞きました。”

という伝聞の意味になってしまいます。

 

「今にも死ぬ」と言いたいなら、「死にそうです」

医者役の学習者は

「あなたは死にそうです」(You are dying.)

と言いたかったんですね。

 

その場合は「~そうです」の前の動詞が「死にます」の語幹*2「死に」になります。

 

 

一文字間違うだけで、意味が全然違う

日本人は無意識のうちに使い分けていますが

この「そうです」の用法、外国人は本当によく間違えます。

 

「そうです」を導入する時に全部の用法を教えると

逆に混乱を招いてしまいますが、学習者が間違えた時に

 

「一文字違うだけで、意味が変わるんだよ~」

 

と言ってあげると「へ~👀!」と面白そうに聞いてくれます。

 

学習者の発言によく耳を傾けて注意していきたいですね(^^♪

 

 

 

*1:「辞書形」とは日本語の動詞の活用の一つで最後が「u」の形で終わる。例)食べる、飲む、見る

*2:「語幹とは動詞の活用変化する部分を取り除いた、活用しない部分のこと。例)たべます⇒たべ、みます⇒み

【日本語学習者からの質問】①「山を登る」?「山に登る」?

 

日々、日本語教師として外国人に日本語を教えていると

日本人が疑問に思わないような質問を受けることは日常茶飯事です。

 

質問の内容も、国籍が変われば多種多様。

 

「え?そんなこと気になるの?」

 

と驚かされることばかり。

 

学生からの質問は教師にとって貴重な学びです。

ここでは学習者からの実際の質問を紹介し、解説していこうと思います。

 

目次

 

 

「山登る」?「山登る」?

学生『先生、「山(に)登る」ですか。「山(を)登る」ですか。

 

 

正解は...

 

 

「山登る」も「山登る」もどちらも正しいです。

 

ですが「に」か「を」かで「登る」のイメージが異なります。

 

 

「に」は到着点「を」は通過点

「山登る」のイメージ

「図書館に行く」などと同じです。

 

 

「山登る」のイメージ

「横断歩道を渡る」などと同じです。

 

 

どちらで教えるかは、現場で統一する

 

私の学校では「山登る」で統一しています。

日常生活でも「山登る」と言う場面のほうが多いんじゃないでしょうか。

 

どちらを使うか統一しておかないと

 

「あの先生は「に」って言ってたのに、どうして「を」なの?」

 

と鋭い学生は気になって仕方がない。

 

ましてや助詞なんて説明し出したらキリがないし

親切と思って丁寧に説明しても逆に学生を混乱させるだけです。

 

「学校いく」「学校行く」とかね...

ただそれでも質問される可能性はあるので

簡単に説明できるようにしておきましょう

 

私も質問された時だけ、混乱しない程度に説明するようにしています。

 

混乱を招く質問を避ける、逃げ道を作っておくことも時には重要です。

 

【日本語教師】就活におすすめのサイト3つ紹介します!

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日本語教師といっても働き方は色々

日本語学校、専門学校、大学、オンライン、インターナショナルスクール…etc.

 

日本語教師向け求人サイトも、それぞれ掲載されている求人に特徴があります。

 

今回は「日本語教師」「求人」と検索して上位に上がってくる3つのサイトをご紹介します。

 

目次

 

おすすめ求人サイト3選

公益社団法人 日本語教育学会

教師募集情報 | 公益社団法人日本語教育学会

大学職員、研究職の求人が多め!

大学教員は応募資格が修士以上を求められることがほとんどなので注意が必要です。

 

その他にもこれから紹介する2つのサイトにはない

公的機関などの求人も時々掲載されています。

 

日本語教師の集い

www.e-tsudoi.com

日本語教師の集いの特徴は

オンライン講師、アジア、東南アジアからの求人が多いことです。

オンライン講師も海外を拠点にしているところが多く

海外で働きたいという方におすすめです。

 

ただ「日本語教育学会」も「日本語教師の集い」も

都道府県別、国別検索ができないのが少し不便です。

 

③ NIHON MURA(日本村)

job.nihonmura.jp

日本村国内の日本語学校、専門学校に強いです。

他のサイトと違って都道府県別、国別に検索できるのが便利です。

 

オンライン講師や海外もありますが数は多くありません。

 

 

希望に合わせた活用を

それぞれのサイトに良さがありますし、求人も日々更新されていくので

ひとつに限らず色々なサイトを活用してみてください。

 

 

【日本語教師】コロナ禍だからこそ、できること

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新型コロナウイルスの影響で、私たちの生活や働き方が180度変わってしまいました。

 

全国の日本語学校コロナウイルスの影響を受けています。

 

私が働いている学校でも昨年1年間、新規学生が入国できず入学者はいませんでした。

そのため、在校生が3月に卒業した今、在校生はたった20人しかいません。

 

zhijiang.hatenablog.com

 過去の記事で、日本語学校の現状について詳しく書いています。

 

学生が少ないので専任教師の担当授業時間も20時間から8時間に減ってしまいました。

担当授業がない日は在宅ワークになります。

 

経営としては新規入学者がいないことは深刻な問題ですが、

教員としては、以前よりは余裕のある毎日を過ごすことができています。

 

私の学校では常に教員不足だったので、ひどい時は1日8コマの授業をこなしていました。

2年目の私にとって、これだけの授業をするのは体力的にも限界で

授業の質の向上なんて言ってられませんでした。

 

学生が少なかったり、担当授業が減ると不安にもなりますが、

逆に今は時間があるので、いろんなことができるようになりました。

 

 

 

授業の質の改善

週20時間、授業をしていた時は毎日死にそうになっていました。笑

授業準備、授業、授業準備、授業、また授業準備…

とにかく時間がない!

もう毎日授業をこなすのに精一杯でした。

 

でも今は、週8時間だけ。教材研究も授業準備もじっくりすることができます。

あとは過去の教案を見返してみたり、授業見学をさせてもらったり、授業の質を上げる努力をしています。

 

 

一人の学生に質の高い指導ができる

100人に指導するのと、20人に指導するのとでは、もちろん人数が少ない方が一人一人に質の高い指導が行えます。

 

現在は、学生の日本語能力を細かくレベル分けした少人数制クラスを採用しています。

 

学生が他の学生に埋もれてしまうこともなく、教員全体がひとりひとりの様子を細かく把握できるので、今の学生は贅沢だなとも感じています。

 

 

日本語教師としての知識を増やす

実は、買うだけ買って読んでいない本がたくさんあるんです。

日本語文法についてだったり、日本語の教え方についてだったり…

 

昨年度は、とてもじゃないですが本をゆっくり読む時間なんてありませんでした。

やっと授業の準備が終わったら、もう何もやる気が出ません。

 

今は時間的にも気持ち的にも余裕がありますから、ゆっくりと本が読めるようになりました。

 

 

オンラン化に対応できるようになる

コロナ禍でも日本語教師として生き残るためには、オンライン化に対応できるかどうかが大きな分かれ道ではないでしょうか。

 

現在、多くの日本語学校で、対面授業ではなくオンラインで授業が行われています。

 

コロナ対策のためだけでなく、オンラインであれば来日できていない学生に対しても

日本語を教えることが可能になります。

 

IT、オンライン授業のスキルが日本語教師にも必要になってきたと感じております。

 

 

もちろんコロナは不安です。早く元の生活に戻りたいです。

でも今の現状をプラスに変え、今をどう過ごすかで、今後の日本語教師としてのありかたが変わっていくのではないでしょうか。

これからも時間を有効利用して、毎日励んでいきたいです。

 

 

 

【コロナ禍】日本語学校の現状

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新型コロナウイルスの収束が見えず、たくさんの企業が経営の危機にありますが

日本語教育業界も例外ではありません。

 

専任日本語教師として働きながら、日本語教育業界はこれからどうなるんだろう

日本語教師を続けていけるだろうか、と時々不安になります。

 

新入生がいない

新型コロナウイルスの影響で、多くの留学生が来日できていない状況が続いています。

 

私が働いている日本語学校でも、昨年1年間、新入生が来日できませんでした。

今後、いつ新入生が来日するかは目途が立っていません。

 

 

非常勤講師は担当授業がない

新入生がいなくて学生が少ないので、担当する授業の数も減ってしまいました。

昨年度は、週20時間の授業を担当していましたが、現在はたった週8時間です。

 

特に非常勤の先生は週に1回の勤務だったり、中には担当授業がない方もいます。

非常勤教員にとっては、経済的に厳しい状況だと思います。

 

今は他の仕事と掛け持ちしなければ、日本語教師だけで食べていくのは難しいと思います。

 

 

続く厳しい経営状況

とはいえ、専任教師の私も安心してはいられません。

新入生がいなければ、日本語学校の経営も厳しくなります。

 

私の働いている日本語学校は、開校して間もない小さな学校ですから

コロナの影響はとても大きいです。

 

それでも授業のオンライン化に対応したり、なんとか生き残るために試行錯誤しております。

 

 

日本語教師の求人はある

ここまで日本語教師の厳しい現状をお伝えしましたが、日本語教師の求人はあります。

 

コロナの影響をどれだけ受けているかは、学校や企業にもよるので日本語教師としての仕事が全くなくなるというわけではないと思います。

 

 

日本語教師に限らず、誰もが不安を抱えながら生活していますよね。

 

早くコロナが収まってくれないかなと思う毎日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【日本語教師】授業で緊張しない方法

 

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日本語教師になって3年目ですが、授業前はめちゃくちゃ緊張するタイプなんです。

 

zhijiang.hatenablog.com

 

そこで今回は、私が緊張しないためにしていることを紹介しようと思います。

 

 

目次

 

 

私が緊張しすぎしないためにしていること

授業に「不安」が多いと、緊張も大きくなってしまいます。

少しでも「不安」を減らして、自信が持てるように意識しています。

 

➀  余裕をもって準備する

準備が不十分だったり、ぎりぎりの準備だと不安なまま授業をすることになります。

私はできるだけ時間に余裕をもって準備するように心がけています。

 

☝準備のポイント

授業で学生に聞かれそうな質問を予想しておくこと。

日本人でも簡単に説明できない日本語ってたくさんあるんです。

例えば…

 

・「思います」と「思っています」の違い

・「~て」と「~てから」の違い 

 

学生に質問されて「どう説明したらいいかわからない」と焦ることが結構あります。

こういう質問が、毎度の授業の緊張につながるんですよね…

 

でも準備の段階で、質問されそうなことを事前に予想して、説明の仕方を考えておけば焦らず対応できます。

 

 

 

②リハーサル

PPTやイラスト、文字カード、レアリアなどを実際に使って流れを確認します。

これをしていないと本番で文字カードを貼るときにもたもたしたり、正しいタイミングで表示できなかったりします。

 

あと、リハーサルをしながら、教案を見ないでもいいように授業の流れも頭に入れます。

 

☝リハーサルのポイント

機器がちゃんと使えるか必ず確認しておくこと。

直前になって、パソコンが急に更新し始める!なんてことになったら大パニック。

パソコンがつくかだけでなく、インターネットがつながるか、CDが流れるかなども

確認しましょう。

 

それでも急にパソコンが使えなくなることはあります。

そういう時は焦らず他の先生に助けを求めて自分は授業に集中します。

 

 

 これだけ準備して、リハーサルをしたら大丈夫!

 

”失敗” を恐れない

 徹底して準備をしても、うまくいかない時はうまくいきません。

 

ですが失敗は悪いことではありません。

失敗したら、次の授業に活かせばいいんです。

 

「失敗」は「授業の質を上げる最高の材料」だと思っています。

 

一番は「うまくいかなくてもいい」「失敗してもいい」と思うことです。

 

 

今は、初めの頃より緊張はしなくなり、楽しく授業ができるようになりました。

教師も学生も楽しんで授業をすることがいちばんです。

 

まだまだ半人前ですが、明日も授業頑張ります('◇')ゞ